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短編小説が好き。

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)
(2002/02)
村上 春樹

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短編小説が好きだ。
凝縮されたストーリーが独特の“匂い”を放ち、
洗練されたひとつひとつの言葉が読者の心臓をえぐるような、
そんな作品が好きだ。

何年も前に読んだ話なのに、
その“匂い”を明確に思い出せるような。
ふいに思い出し、ズキズキするような感覚に苛まれる、
そんなフレーズの詰まった短編が好きだ。
多感な高校時代によく読んだ村上春樹氏の短編には、
そんなふうに感じる作品が多い。


小夜子は言った。
何かをわかっているということと、それを目に見えるかたちに変えていけるということは、また別の話なのよね。
そのふたつがどちらも同じようにうまくできたら、生きていくのはもっと簡単なんだろうけど



淳平は謝った。小夜子は何も言わなかった。
二人は長い間黙り込んでいた。開いた窓から風に乗って、ラジオの音が聞こえてきた。
流行りの歌がかかっていた。
きっとこの歌を死ぬまで忘れないんだろうと淳平は思った。
でも実際には、後日どれだけ努力しても、その曲の題名もメロディーも思い出せなかった。

~『蜂蜜パイ』より



最後の情景が、なぜか、妙にひっかかった。
この作品、場面のもつ“喪失感”を、
痛いくらいに感じてしまうからなんだろうか。

あの頃から僕は、大して変わっちゃいないんだなーって思う。
いろんなものを失いながら、わけもわからずもがいているんだね。

この作品のラストでは、ほんの一筋なんだけど、
確かで前向きな“希望”が描かれる。
(泥沼に嵌りながら終わる「ノルウェーの森」とは、ちょっと違う)
今回読み返してみたら、この結末がなんだかとっても、染みた。
あの頃には感じることができなかった“暖かさ”を感じた。
僕は大して変わっちゃいないけど、
変わっている部分もやっぱり、あるんだね。
自分にとっての“暖かさ”を見出せるかどうかは、自分次第なのかも。
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keigo

Author:keigo
試される大地、北海道・札幌在住の大学生。
現在医学部6年目、国家試験に向けて日々勉強中。
趣味は競泳、読書。

心に残ったこと、残しておきたいことを、読書日記を軸に書き留めていきたいと思います。
週2~3回くらいの頻度で更新していきます。
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