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「君たちに頂点を見せてやる」

風が強く吹いている風が強く吹いている
(2006/09/21)
三浦 しをん

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「長距離選手に対する、一番の褒め言葉はなにかわかるか」
「速い、ですか?」
「いいや。『強い』だよ」


この一言に“痺れた”アスリートは、
一秒でも早くこの作品を読むべきだ!
これほどまでに、
アスリートの『内面』を丁寧に、深く、かっこよく描ききった作品には、
いままで出会ったことがなかった。

『内面』ってのは、つまり、『魂』だ。

「じゃあおまえら、いずれ死ぬからって生きるのやめんのかよ」


魂が叫ぶように。
『生きる』ってことを体現するかのように。
高みを目指して、走る。
そこには、圧倒的な美しさがあり。
心の底から突き動かされるような感動がある。

冒頭で引用した台詞に戻る。
“強い”って、なんだ?
ひとつの答えとして本作では、『言葉の力』が示されている。
以下、学生“最強”ランナー、王者藤岡の台詞から。

「たとえ俺が一位になっても、自分に負けたと感じれば、
 それは勝利ではない。
 タイムや順位など、試合ごとにめまぐるしく入れ替わるんだ。
 世界で一番だと、誰が決める。
 そんなものではなく、
 変わらない理想や目標が自分の中にあるからこそ、
 俺たちは走り続けるんじゃないのか」


 思いを言葉にかえる力。
 自分のなかの迷いや怒りや恐れを、冷静に分析する目。
 藤岡は強い。
 走りのスピードも並ではないが、それを支える精神力がすごい。
 俺がただがむしゃらに走っているときに、
 きっと藤岡はめまぐるしく脳内で自分を分析し、
 もっと深く高い次元で走りを追求していたのだろう。


なぜ走る?
それはつまり、
なぜ生きる?どう生きる?
ってことで。
その答えを求める姿勢が、“アスリート”なんだ。




なんだか過度にシリアスなレビューになってしまったけれど、
ストーリー自体がとても面白いから、
万人にお勧めできる作品。
“たった10人の、ほとんど素人の寄せ集めで箱根駅伝を目指す”
っていう設定、タイム等の細部には、
ちょっとリアルさに欠ける部分もあるけれど、
そこはさすが三浦しをん先生、
劇的な展開と抜群のキャラだてにより、
問答無用に読者を惹きつける、
極上のエンターテイメント青春小説に仕上げられている。

僕の中では、『一瞬の風になれ』を超える陸上小説。
おすすめです。
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非公開コメント

これって今ヤンジャンでやってるやつですよね??
原作小説があったんですね!
最初のやつは機会があれば読んでみたくなるフレーズですね☆

>てり

そうそう!
ちょっとヤンジャンらしくない連載だよねー
僕はマンガの方も好きだけど…
陸上とか水泳ってのは、
サッカーとか野球にある所謂“派手さ”がないから、
その分、
競技者の内面を深くえぐるような描写が必要だと思うんだよねー
その点ではマンガよりも活字にやはり分があるかな。
原作の方もぜひ読んでみてください!
(ヤンジャンの連載も、ガンツのついでに読みましょう)
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プロフィール

keigo

Author:keigo
試される大地、北海道・札幌在住の大学生。
現在医学部6年目、国家試験に向けて日々勉強中。
趣味は競泳、読書。

心に残ったこと、残しておきたいことを、読書日記を軸に書き留めていきたいと思います。
週2~3回くらいの頻度で更新していきます。
コメント・トラックバック熱烈歓迎です。

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